太田病院

主な疾患


<こどもの病気>

 

 

 

 

腱鞘炎

 

ばね指

手の痛みを起こす疾患で日常的に多くみられるのが腱鞘炎です。その中で指の腱鞘炎のことをばね指といいます。腱鞘というトンネルの内部が狭くなりすぎると腱がひっかかって、指がカクンとはねる、ばねのような動きになることがあります。

注意したいのは、たかが腱鞘炎と放置してしまい、症状が進行してしまうと治療をしても関節が固まって指が動かなくなることがあります。

 

デュケルバン腱鞘炎(デュケルバン病)

腱鞘は指だけでなく手首の親指側にもあり、ここで起こる腱鞘炎を「デュケルバン腱鞘炎」といいます。症状は、手首の「痛み」や「腫れ」です。特に親指を広げたり、反らしたり、動かしたりすると、強い痛みがでるのが特徴です。

 

症状が起きやすい人

腱鞘炎は、パソコンでの作業、楽器の演奏、文字の書きすぎ、手をよく使う仕事の人など「手指をよく使う人」によく起こります。また、「更年期以降の女性」「妊娠・出産期の女性」にも多くみられます。これには女性ホルモンの影響があると考えられています。

さらに、「糖尿病の人」、「人工透析を受けている人」、「関節リウマチの人」にも起こりやすくなります。糖尿病のある人は、末梢の血液が滞ることや、炎症を起こすと治りにくいことから、腱鞘炎を起こしやすくなると考えられています。

 

治療

腱鞘炎の治療は、まずリハビリテーションや炎症を抑えるような注射、装具療法などを行いますが、改善がない場合や繰り返す場合には手術治療が必要となることもあります。

 

 

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

 

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、骨の構造が弱くなり、骨折が起こりやすくなる病気です。

人体では、他の組織と同様に、骨も新陳代謝をくり返しています。これを骨代謝といい、破骨細胞によって骨が分解され、骨芽細胞によって新たな骨が造られます。そのバランスが崩れると骨がスカスカになって骨折を起こしやすくなり、このような状態を『骨粗鬆症』といいます。

日本は高齢化がどんどん加速していき、加齢と深く関係する骨粗鬆症は、国内で約1000万人以上の患者さんがいるといわれており大変注目されています。

 

原因

加齢

骨量(骨密度)は20歳前後でピークに達し、40歳代半ばまではほぼ一定です。多くの人は50歳前後から低下していきますが、特に女性は50歳代で急な低下が見られます。若い人でも極端なダイエットや運動不足などの影響で骨粗鬆症になることもあります。

 

女性ホルモンの低下

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、骨吸収を抑える作用があります。閉経により、エストロゲンの分泌量が減ると、骨吸収を抑える力が弱くなり、骨吸収が増加してしまいます。そのため、閉経後の女性では特に骨が弱くなりやすい状態になります。

 

生活習慣

喫煙、アルコール・カフェインの過剰な摂取、日照不足などの長期間に渡る生活習慣が原因となることから、生活習慣病との関連もあると考えられています。

 

検査・診断

骨粗鬆症は、骨が弱くなる病気で、自覚症状がなく、知らないうちに進行することがほとんどです。自覚症状がないからこそ、骨が弱くなっているかを知る指標である『骨密度や血液検査』を受けることが大切です。

当院では、手で測定する骨密度検査(MD方式)を施行しています。骨密度を測れば骨の状態を正確に把握することが可能です。測定に用いるX線は極めて少ない線量です。

 

レントゲン検査

背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、背骨や肋骨などの骨折や変形を確認します。

 

血液・尿検査

骨代謝マーカーという検査により、骨の新陳代謝の速さを知ることができます。骨代謝マーカーは血液検査によって測定されます。血液を採取して検査し、骨代謝(骨形成や骨吸収のバランス)を調べることができます。この検査値は、病気の状態、進行の予測、治療薬を選択する際の判断材料になります。また、薬の効果の評価にも使われます。

 

治療

食事療法

カルシウムの摂取が不足すると骨粗鬆症の原因となるだけでなく、動脈硬化症・糖尿病・高血圧などの様々な病気を併発することがあります。適切なカルシウム摂取と同時にカルシウム以外の骨代謝に必須の栄養素であるビタミンDやビタミンKの摂取がすすめられています。

 

薬物療法

薬物療法では、主に骨の吸収を抑制する骨吸収抑制薬と骨形成促進薬に分けられます。これらの薬は定期的な検査を行い、効果を確認しながら薬剤を決定していきます。

 

運動療法

骨は適度な負荷をかけることで丈夫になります。また、筋肉も適度に鍛えることでバランスが良くなり転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗鬆症の治療に効果的です。

 

 

 

関節リウマチ

関節リウマチとは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されてしまい、関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが他の関節の病気と異なります。手首や手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすいことも特徴です。

また、関節リウマチの症状は関節だけでなく、発熱、疲れやすい、食欲がないなどの全身症状が生じ、関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもあります。発症するピーク年齢は30~50歳代で、男性よりも女性の方が約4倍も多く発症します。

 

関節リウマチの症状

初期の段階では、朝のこわばりのほか、関節の腫れや痛みが現れます。症状は左右対称に出ることが多く、腫れている部位の触った感じがやわらかいことも特徴です。

そして、症状が進行すると、関節が変形して動かせる範囲が制限されることもあります。

また、関節の症状だけでなく、発熱、倦怠感や疲労感、体重の減少、貧血といった症状が見られる場合もあります。

 

症状の例

・起床時にこわばりがある

・食事や洗顔など日常の動作をスムーズに行えない

・関節が痛くて眠れない

・関節が腫れてブヨブヨしている

・蓋を外す、ドアの部を回す動作がつらい

・身体がだるくて力が入らない

・重い物を持つと関節が痛い

・階段の上り下りで痛みが出る

 

治療

関節リウマチの治療

関節リウマチの治療の基本は、病気の進行を抑えることと、できる限り痛みを取り除くことです。薬物療法・リハビリテーション療法・手術療法を組み合わせて治療を行っていきます。

 

薬物療法

薬物療法では、抗リウマチ薬を用いて炎症を抑え、痛みや腫れがある場合には非ステロイド性消炎薬で痛みを抑えていきます。また、痛みが激しい場合にはステロイド薬を一時的に用いる場合もあります。病態により関節リウマチ専門医へご紹介することもあります。

 

リハビリテーション

関節リウマチは痛みを伴う場合が多いです。

痛みがあるとどうしても体を動かさなくなります。

そうすると徐々に関節の動きが悪くなり、筋力が低下し、日常生活も不自由になり、二次的に別の箇所を痛めてしまう場合があります。

こうしたことを防ぐ為にはリハビリを行うことが有用です。レーザー、ホットパック、干渉波、および低周波等を用いることによって血流を良くしていきます。痛みを和らげる物理療法と、筋力を維持・強化して関節の動きを改善させる、理学療法士による運動療法があります。

 

手術療法

リウマチの治療は薬物治療が中心です。しかしながら、薬の投与で関節の炎症が治まらず、病気が進行して日常生活に支障が出る場合には手術が必要になることがあります。手術については、手術治療可能な医療機関を紹介させていただきます。

 

 

交通事故

 

交通事故の治療について

交通事故直後には自覚症状がなかった方が、数日経過してから首や腰の痛みなどの症状が出現することがあります。そのまま放置しておくと症状が長引くこともあり、早めに治療を受けることが早期の回復に繋がります。

また時間が経過してから受診した場合に事故との関連が証明できない場合がありますので、早期に受診をすることをお勧めします。

 

交通事故の治療を整形外科で行うメリット

① 医学的根拠に基づいた診療

整形外科では、レントゲン・CT・MRI検査などによって骨や腱などの状態をはっきりと調べることができます。

一方で、整骨院や接骨院では検査・診察・治療はできず、基本的には施術を受ける場所のため、重大な骨や腱の異常を発見できない可能性があります。

当院では、整形外科専門医が医学的根拠に基づいた診療を行っております。

自覚症状が無い場合でも早期に骨の損傷など重大な障害の有無を確かめておくことは大切ですので、交通事故後は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

② 国家資格者によるリハビリテーション

当院には、国家資格である理学療法士、作業療法士が在籍しており、医師の指導の下医学的根拠に基づいた運動器リハビリテーションを行うことができます。

整骨院や接骨院でも施術は受けられますが、骨・筋肉・靱帯・関節・軟骨・神経などの運動器リハビリテーションを行うことができるのは理学療法士、作業療法士、運動器リハビリテーションセラピストだけです。

 

交通事故後の通院の流れ

① 保険会社へ連絡

交通事故後、来院される前に当院へ受診される旨を保険会社へお伝えください。

 

② ご来院、問診票の記入

ご加入の保険会社について(連絡先・担当者)

事故発生時の状況の確認

身体の状況、変化、現在の症状の確認

など、ご記入いただいた問診票をもとに医師の診察をおこないます。

 

③ 検査・診断

受傷した部位を確認し、症状のある部位のX線(レントゲン)検査と神経学的検査をおこないます。

必要に応じてMRI・CTの検査を行います。院内にMRIやCT検査があり、必要な場合は精密検査が可能です。また、頭痛、吐き気、めまい等の症状がある場合は、脳神経外科をご紹介する場合もございます。

 

④ 治療開始

医師の診断のもと必要な内服薬や外用薬の処方、ブロック注射、物理療法等を行い患部の炎症を抑え症状を和らげていきます。

 

⑤ リハビリ

医師の診断のもと、リハビリが必要と判断された場合は、有資格者による個別のリハビリを早期に実施し、できるだけ後遺症を残さないよう治療していきます。

 

治療期間の目安について

基本的には症状が無くなるまでが治療ですが、患者様によっては症状の回復や改善が期待できない場合があります。(これを症状固定と言います。)

この期間は3か月を目安としています。

症状がこれ以上回復、改善が期待できない場合、補償が受けられるように後遺症診断書をお出しすることもできます。

 

 

診療時間

平日(月曜日〜土曜日)
午前:9:00〜13:00
午後:14:00〜18:00
木曜日:9:00〜13:00
休診:日曜日・祝日・木曜午後
急患はこの限りではありません。

連絡先

TEL:0879-25-2673

FAX:0879-25-8556

〒769-2601
香川県東かがわ市三本松1758